印刷(シール印刷、名刺印刷、封筒印刷)の基礎知識
ダイレクトメールを送る場合はシールに印刷したラベルを貼る方法や風潮に直接印刷する方法もあります。また名刺の印刷に関しても、知っておきたい情報を集めてみました。今回は印刷(シール印刷、名刺印刷、封筒印刷)の基礎知識についてまとめておきましょう。
シール印刷の基礎知識
シール印刷に関しては(1)凸版印刷(2)オフセット印刷(3)シルクスクリーン印刷の3つが一般的です。それぞれの特徴やお薦めの用途をご紹介しましょう。最も一般的で汎用性があるのが凸版印刷でしょう。さらに耐候性に優れている特徴があるのがシルクスクリーン印刷です。オフセット印刷は高精細印刷に向いています。それぞれ詳しく解説してゆきましょう。
(1)凸版印刷
シールそのものが商品でないシール印刷は凸版印刷でされることが多いです。ハイライトや写真を使用したデザイン・屋外で風雨にさらされるシール・大きいサイズのステッカーには凸版印刷は向いていません。
凸版印刷が向いているのは、機械製品のプレート・製品シール・バーコードラベル・備品管理ラベル・成分表示ラベル・封シール・商品ラベルやロゴなどです。
ちょっと珍しい使い方ですが、和紙素材に印刷して千社札にする場合もあります。イベントのバックステージパスならばアセテート素材に凸版印刷すればいいです。フィルムパッケージにはるアイキャッチシールも凸版印刷で可能です。印刷物の訂正などにも凸版印刷のシールが使われます。プラスチックカードの裏面機入用のシールに使われたり、再剥離素材を使って目隠しシールにしたりする使われ方もあります。
(2)オフセット印刷
販売目的のシールや写真を使ったシールなど高印刷品質を要求されるものはオフセット印刷をします。しかし、屋外使用のシールや小さなシールには向いていません。
オフセット印刷が向いているのは、キャラクターや販促品のシールやノベルティーグッズです。プリンタ向けのラベル紙を使ってダンボールにブランド表示シールに貼る場合はオフセット印刷がいいでしょう。
(3)シルクスクリーン印刷
屋外で使用するシールは耐久性が必要です。シルクスクリーン印刷でシールを作成するのが普通です。しかし、フルカラーなど色の掛け合わせをするのは無理ですね。野外表示のシールやカーステッカーに使われるのがシルクスクリーン印刷です。
名刺印刷の基礎知識
オフ会・営業活動や商談・就職活動など、いろいろなシーンで名刺が必要になる現代社会。キャッチーなデザインを考える場合もありますが、まずは名刺の基礎知識を押さえておきましょう。
例えば、名刺のサイズ・印刷技術の種類・作成ツールなどです。こういったことを知っておけば自分で名刺を作ることもできますよね。専門の印刷業者に発注する場合も話がスムーズに進みます。
一般的な名刺サイズ
もっとも一般的な名刺サイズは「4号サイズ」であることを覚えておきましょう。実際に名刺のサイズは3号から7号だったり、欧米サイズや長二つ折りなど特殊なものもあります。しかし、大切に保存していただくならば無難なサイズにしておくべきでしょう。主流になっているのが4号サイズ。横幅と縦幅の長さは55ミリ×91ミリです。名刺入れ・名刺ケース・名刺用紙などは、この4号サイズを想定して作られています。
以下に号数とサイズをご紹介しておきましょう。
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- 3号
- 49ミリ×85ミリ
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- 4号
- 55ミリ×91ミリ
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- 5号
- 61ミリ×100ミリ
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- 6号
- 70ミリ×116ミリ
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- 7号
- 76ミリ×121ミリ
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- 3号(角丸)
- 49ミリ×85ミリ
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- 小型4号(角丸)
- 39ミリ×70ミリ
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- 4号(二折)
- 110ミリ×91ミリ
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- 4号(長二折)
- 182ミリ×55ミリ
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- 欧米サイズ
- 51ミリ×89ミリ
注意したいのは、印刷業者によっては55mm×91mm サイズを9号と呼ぶことがあるのです。大阪では9号と呼び東京では4号と呼ぶみたいですね。
どのようなツールで名刺を作成できるの?
自作で名刺を作るならば、パソコン・プリンター・ソフト・名刺用紙です。ソフトで有名なものは、マイクロソフト社のワード・エクセル・パーワーポイントでしょう。デザインソフトならばAdobe社のイラストレーターが標準です。素材配布サイトで無料のテンプレートを配布しているのでそれを使うこともアリでしょう。
プロの印刷業者に依頼する場合の方法
- (1)データを入稿して印刷だけを依頼する方法
- (2)デザインも印刷も両方依頼する方法
コストを安くしたいならば(1)の方法でしょう。ソフトの操作が苦手だったり、ソフトがないならば(2)を選ぶしかありません。
名刺印刷の方法は2種類
オンデマンド印刷とオフセット印刷です。どのような特徴があるのかご紹介します。
オンデマンド印刷
少ない部数の場合に向いている印刷方法で、仕上がりが早く安い特徴があります。1枚から印刷に対応してくれる場合もありますし、早ければ当日発送してくれます。デメリットはトナー方式の印刷であること。色がついた面積が多かったり、平網のところは均一に着色しにくいです。1枚毎に印刷する位置が少しずつずれます。緻密で精巧なデザインの名刺には不向きです。
オフセット印刷
100部以上の大量の印刷に向いています。インクを平版につけて、一度中間転写体に転写したあと、紙などに印刷します。工程はオンデマンド印刷より多いので時間がかかります。しかし、精巧で美しい仕上がりになりますし、大量に印刷する場合はオンデマンド印刷よりも1枚あたりの金額は安くなる場合があります。
封筒印刷の基礎知識
封筒印刷で知っておきたいのは、(1)貼り合わせの形状(2)封をするテープと糊の種類(3)窓の位置とサイズでしょう。
(1)貼り合わせの形状
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- センター貼
- 角形封筒・長型封筒で、裏側の貼り合わせの位置が中央にあります。かしこまった内容の封筒印刷ならば、この従来型がいいでしょう。
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- ヨコ貼
- 角形封筒・長型封筒で、裏側の貼り合わせの位置が右側にあります。宛名を書く場合に、貼り位置に引っかかって文字がずれることが少ないメリットがあります。
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- カマス貼
- 洋封筒の閉じ口の形の一つで台形型をしています。濡らすと粘着力が出てくる水糊がついているタイプが多いです。普通は蓋が閉じた状態ですが、テープ付のものは蓋が開いています。
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- ダイヤ貼
- 洋封筒の閉じ口の形のひとつでインボイス貼と呼ばれる事もある三角形の閉じ口です。通常は蓋が閉じた状態です。
(2)封をするテープと糊の種類
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- フタテープ
- 封筒の裏にシールがついたタイプで、フタに印刷を入れるならば下テープのタイプを選ぶほうがいいでしょう。
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- 胴テープ
- 封筒の胴体側部分にシールがついたタイプで、封筒の上部に切手枠などの印刷を入れる場合があるでしょう。その場合は上テープのタイプを利用することをお勧めします。
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- アドヘア糊
- 封をしたあと圧力をかけると接着する特殊な糊がついています。一度に大量の封筒を封する場合に向いているタイプです。しかし、糊の劣化が激しいですから短期間で使用しないとコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
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- 水糊 (アラビア糊)
- 封筒の裏側に、水で濡らしてつけるタイプの糊がついています。洋型封筒には一般的に記載がない限り水糊がついているのが普通です。
(3)窓の位置とサイズ
- 長3窓明
- 封筒サイズ:120×235ミリ
このサイズはA4サイズの印刷物を三つ折りにして封入できます。典型的なタイプで色のバリエーション・用紙のバリエーション・テープ付やエコ窓などの製品が多いです。45×90ミリの大きさの窓が、封筒の左端から12ミリ、底から24ミリの位置にあるのが特徴で、郵便番号の枠が入っているものは、通常の長3封筒と同じ位置に郵便番号枠がつきます。
- 長3大窓明
- 封筒サイズ:120×235ミリ
このサイズも「長3窓明」と同じでA4サイズの印刷物を三つ折りにして封入できます。バーコードがついた郵便物を想定しているので、少し大きめの窓が特徴です。窓の位置は、55×90ミリの大きさの窓が、封筒の左端から12ミリ、底から24ミリの場所です。郵便番号入りのものはなく、必要な場合は印刷して入れるようにします。
- 長4窓明
- 封筒サイズ:90×205ミリ
B6用紙をタテに2つ折りにして入れることができます。窓は、45×80ミリの大きさの窓が、封筒の左端から12ミリ、底から20ミリとなっています。郵便番号が入っているものは、通常の長4封筒と同じ位置に郵便番号枠が入ります。
- 長4大窓明
- 封筒サイズ:90×205ミリ
こちらも「長4窓明」と同じくB6用紙をタテに2つ折りにして入れることが出来るタイプで、通常よりヨコに大きな窓が特徴。窓の大きさは45×90ミリの窓が、封筒の左端から12ミリ、底から24ミリの場所にあります。郵便番号枠入りのものは、通常の長4封筒と同じ位置に郵便番号枠が付きます。
- 長6窓明
- 封筒サイズ:110×220ミリ
A4用紙を3つ折りにして、ちょうど良い大きさで入れることが可能。中の用紙が偏って宛名書きが見づらくなることは少ないです。最近導入されるケースが多いです。窓の位置は45×90ミリの窓が、封筒の左端から12ミリ、底から24ミリです。「長6窓明」は郵便番号枠入りのものはありませんので、必要な場合は印刷で入れましょう。
- 長Y4窓明
- 封筒サイズ:105×235ミリ
A4用紙を3つ折りにして入れることが出来るのは、「長6窓明」と同じで窓の位置は45×90ミリの窓が、封筒の左端から12ミリ、底から24ミリです。郵便番号枠入りは、通常の長Y4封筒と同じ位置に郵便番号枠が付きます。
- 長Y5窓明
- 封筒サイズ:95×217ミリ
A5用紙をタテに2つ折りにして入れることが可能で、窓の位置は45×80ミリの窓が、封筒の左端から12ミリ、底から20ミリの場所にあり、郵便番号枠入りのものは、通常の長Y5封筒と同じ位置に郵便番号枠が付きます。
- 長Y6窓明
- 封筒サイズ:98×190ミリ
B5用紙を3つ折りにして入れることが可能で窓の位置は45×80ミリの窓が、封筒の左端から9ミリ、底から105ミリの位置に横向きにあります。郵便番号枠入りのものは、通常の長Y6封筒と同じ位置に郵便番号枠が付きます。
- 角20窓明
- 封筒サイズ:229×324ミリ
A4用紙を折らずに入れることが可能で窓の位置は50×90ミリの窓が、封筒の底から237ミリ、左端から23ミリ場所にありました。
- 変則角A4窓明
- 封筒サイズ:220×310ミリ
A4用紙を折らずに入れることが可能で窓のない「角A4」サイズの封筒よりひとまわり小さいです。窓の位置は50×90ミリの窓が、封筒の底から232ミリ、左端から20ミリの場所にあります。
- 角8窓明
- 封筒サイズ:119×197ミリ
給料袋をイメージしてもらうとわかりやすいです。B5用紙を3つ折りにして入れることが可能で窓の位置は45×80ミリの窓が、封筒の左端から12ミリ、底から20ミリの場所にあります。郵便番号枠入りのものは、通常の角8封筒と同じ位置に郵便番号枠が付きます。
- 洋2窓明
- 封筒サイズ:162×114ミリ
A5用紙をヨコに2つ折りにして入れることが可能ではがきサイズの明細や証明書等に使われます。窓の位置は45×80ミリの窓が、封筒の底から54ミリ、左端から20ミリの場所にあります。郵便番号枠つきのものは、開け口を左側にして縦長に見たときの右上に郵便番号枠がつきます。
- 洋長3窓明
- 封筒サイズ:235×120ミリ
A4用紙を3つ折りにして入れることが可能で、窓の位置は45×90ミリの窓が、封筒の底から63ミリ、左端から24ミリの場所です。郵便番号の枠つきは、開け口を左側にして縦長に見たときの右上に郵便番号枠がつきます。
- 洋長3大窓明
- 封筒サイズ:235×120ミリ
A4用紙を3つ折りにして入れることが可能で主にバーコード付郵便物向けに少し大きめの窓です。窓の位置は55×90ミリの窓が、封筒の底から53ミリ、左端から24ミリの場所にあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?シール印刷、名刺印刷、封筒印刷の基礎知識をいろいろとご紹介しました。これで必要な情報は理解できたと思います。さらに興味深い情報を記事にして、ご紹介しますので参考にしてみてください。